ロータリー宣言(大連クラブロータリー宣言) 第1条 須らく事業の人たるに先立ちて道義の人たるべし。蓋し事業の経営に全力を傾倒するは 因って世を益せんがためなり。故に吾人は道義を無視して所謂事業の成功を獲んとする者 に与せず。 第2条 成否を曰うに先立ち退いて義務を尽さんことを思い進んで奉仕を完うせんことを念う。 自らを利するに先立ちて他を益せんことを願う。最も能く奉仕する者最も多く満さるべき ことを吾人は疑わず。 第3条 或いは特殊の関係を以て機会を壟断し、或いは世人の潔しとせざるに乗じて巨利を博す。 これ吾人の最も忌む所なり。吾人の精神に反してその信条を紊るは利のために義を失うよ り甚だしきは無し。 第4条 義を以て集まり、信を以て結び、切磋し、琢磨し、相扶け相益す。これ吾人団結の本旨 なり。然れども党を以って厚くすることなく、他を以て拒むことなく、私を以て党する者 にあらざるなり。 第5条 徒爾なる角逐と闘争とは世に行わるべからず、協力以て博愛平等の理想を実現せざるべ からず、然り吾が同志はこの大儀を世界に敷かむがために活躍す。吾がロータリーの崇高 なる使命茲に在り。 その存在の意義亦茲に存す。(1936年) ロータリー宣言(大連クラブロータリー宣言)の意味 1.当然なすべきこととして、事業の人である前に道義をわきまえた人でなければならない。確か に事業の経営に全力で努力すること、そうすることによって世のため人のためになるからである。 こういうわけで、われわれは人の行うべき正しい道を無視して、俗に言う事業の成功を得ようと するものではない。 2.成功か失敗かという前に一歩さがって義務を尽くさなければならないことを思い、奉仕に全力 を尽くすよう願うものである。自分のために行うことよりも前に、人のために尽くすことを願う ものである。最も能く奉仕する者最も多く満たされるべきことをわれわれは疑わない。 3.ある時には、特別の関係をもって機会を独占したり、またある時は、多くの人が正しいものと 思わない機会につけ込んで巨利を得る。このようなことは、われわれの最も憎むところである。 われわれの精神に反して、その固く信じている事柄を混乱させることは、利のために人として の行うべき筋道を失うよりはるかに憎むものはない。 4.道理に従い人道公共のために尽くすために集まり、真実によって結束し、また仲間同士互いに 励ましあって人徳を磨き、お互いに支え助けあい、お互いのために尽くし合う。このことがわれ われ団結の本来の趣旨である。 しかしながら、集団を作って厚くするようなことはせず、他の人々に対しても拒否することも なく、私利私欲のために集まるものではない。 5.無駄な争いや競争は、決して行ってはならない。協力することによって博愛平等の理想を実現 していかなければならない。正にその通であり、わが同志はこの人の踏み行うべき重大な道義を 世界に広く及ぼすために活躍する。わがロータリーの気高く偉大な使命はここに在る。その存在 の意義もまたここに在る。 |